第10回「Eenie, meenie, minie, moe, catch a ? by the toe」

日本の子守歌には悲しい響きのものが多く、今の時代にそぐわないという考え方や、最近はそのような物悲しい子守歌を聞かせると、急に不安に感じて泣き出してしまうベイビーも増えてきているという話をご存じですか。これは、時代や背景が移り変わると、伝統だけを尊重し古くから伝わる文化だけにこだわってはいられなくなるという一例だと思います。昔は何の問題もなく人々に親しまれていたものが、時代の流れと共に今までとは違った見方をされるようになることもあるわけです。
アメリカでは人種差別や幼児虐待などにまつわる社会の変化と共に、古くから伝わるものが影を潜めてしまったり、表現が変わったりという場合があるようです。例えば、「Eenie, meenie, minie, moe, catch a tiger by the toe; If he hollers let him go, Eenie, meenie, minie, moe.」というフレーズです。訳すると「誰にしようかな、神様の言うとおり!」となるもので、「鬼(it)」を決めるゲームなどでよく使われる表現です。実はこの言い方は現代版で、人種差別 が合法化される前はずっと「...catch a nigger by the toe; If he sqeals let him go,」と言われていたのだそうです。
「みにくいあひるのこ(Ugly Duck)」や「ヘンゼルとグレーテル(Hansel and Gretel)」など、世界の名作と言われる話についても、幼い子供たちには敬遠される時があります。差別や偏見のない世界を目指し、ステップマザーやステップファーザーを持つことが特別のことではなくなった現代社会においては、このようなお話は、子供がきちんと内容を理解し自分でものを考えることができるようになる年齢になるまで待った方がいいという考え方なんですね。
また、育児をする上で子供の心のケアを重んじる教育が主流になってきている現在、「Rock-a-bye, baby」や「Ladybug, ladybug」というアメリカではポピュラーなララバイの歌詞や「nursery rhymes」の内容についても、見直す必要があるという声もあるそうです。
「Rock-a-bye, baby, in the treetop, When the wind blows the cradle will rock; When the bough breaks the cradle will fall, And down will come baby, cradle and all.」
なんとなく聞いていると、とてもきれいなメロディでうっとりとさせられますが、私なりに要約すると「揺らり揺らりベイビー、木のてっぺんに置かれたゆりかごは、風が吹けば揺らりと揺れる。木の枝が折れるとゆりかごは転落し、ベイビーもみんな下へ真っ逆さま」となるわけで、確かに子供を寝かし付けるララバイにしては、かなり怖い内容です。
「Ladybug, ladybug, fly away home, Your house is on fire. And your children all gone; All except one, And that's little Ann, And she has crept under the frying pan.」
これは、てんとう虫一家の母親が家に戻ってきたら、火事で一人の子供以外全員焼け死んでいたというお話です。こういう悲しいお話しを、小さい子供に繰り返し聞かせるのもちょっとかわいそうな気がしますね。




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