| 第29回「Originally...」(05年4月12日掲載) アメリカに来て最初の頃。 ある場所で、ある日本人が自分の自己紹介をしている時に「Originally, I am from Japan.」と言っていた。 「もともとは、日本出身です」という、とても簡単な言い回しであるが、 私は、この「originally」という言葉にやたらと引っかかってしまった。 「えっ?オリジナリーってどういうこと?今は、もうニューヨーカーになりきっているわけ?」と、挑発的な思いが込み上げてきてしまったのだ。 アメリカに、移民として来たわけでもなかったし、日本を「捨てて」来たわけでもない。 だから、そのような表現とそれを発している人に、とても違和感を覚えた。 自分自身に対する日本人としてのこだわりと、今どき流行らない日本に対する忠誠心なのかも知れないと感じた。 渡米5年を過ぎた頃。 そういう自分のこだわりが薄れてきたのか、慣れの問題だったのか、あの時、「Originally, I am from Japan.」と言っていた人のメンタリティが、ある程度、受け入れられるようになった。 自ら、その違和感を覚えた言い回しを使用するようにもなった。 このメルティングポットでは、全世界から色々な人間が集まって来ているわけで、実際にこの言い回しは、非常によく耳にする。自分のことを言う時も相手に出身を尋ねる時も、「originally」を入れることによって「よそ者」という枠組みを取り除き、平等になることができる、と感じた。 これは非常にポリティカリーコレクトな、便利な言葉なのであると思うようにもなったきた。 ニューヨーク在住13年目になった。 引っ越しばかりしていた私の人生の中で、最も長い年月をここで過ごしていることになる。 「 I am originally from Japan. And I am a real New Yorker.」なーんて思う時もある近頃だ。 |
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