第26回「ポリティカリーコレクトで洋服も売れる?」(05年3月5日掲載)

私の本業はグラフィックデザインだが、2年前から、サイドで、日本のアパレル企業のデザイン顧問をするようになった。その仕事の関係で、最近、アメリカで注目を集め、売り上げもぐんぐん伸ばしているという『アメリカンアパレル』というメーカーのリサーチをした。
「ウエスターンカルチャーの伝統であり、自由の象徴」であると謳われているTシャツがメインのこのメーカー、調べている内に、かなり深い所にその企業ポリシーがあることがわかり、アメリカらしいなあ、と感心した。
『アメリカンアパレル』は、アメリカでも問題になっている「チープレイバー」に抵抗するところから始まった、業界では珍しいブランドだ。
働かなくてはならない貧しい家(国)の子どもを雇ったり、人権費の安い東南アジアでの生産を拒みつつ、ロスの工場で全てをまかなっている。「Made in USA」を誇る一方、コストを上げないで顧客にクオリティの高い製品を提供する、というチャレンジに臨んでいるのだそうだ。
ストアーに行ってみたが、ディスプレイはきれいにまとまっており、商品は非常にシンプルだが、流行りの店らしい斬新さが漂っていた。
サンプルとして買ってきた品物を見て、夫は「これ、素晴しい!このストアーどこで見つけたの?」と感動し、興味を示している模様。 それもそのはず、商品タグには、一々そのような企業ポリシーが示されており「全社員には、最低時給13ドルを保証し、健康保険額もきちんと支払っています」などとも印刷されているのだ(アメリカでは、健康保険に加入していない人が多く、これもまた問題化されている)。
夫は、絶対にこういうのが好きだろうなあ、と思ったらまさにぴったしカンカンだったわけだ。
一昔前の『ボディショップ』が、アニマルテストを一切行っておりません、と言って出てきたのと同じようなノリだなあ。あの時も、かなり衝撃的だと思ったが、妙にこのポリティカリーコレクトなメーカーの在り方に感心した次第である。
日本にも既に進出しているそうだが、宣伝文句としては「米国産製コットン100%」というのがやっとといったところのようだった。どうも本来のメッセージは、アメリカの政治的要素が強すぎて、日本人には伝わらない気がするが、この企業の日本での進展が注目される、と思った。




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