第24回「続きの人生」(05年2月19日掲載)

数年前に出版した『I Still Love NY マンハッタン生活風景』という本の宣伝の為、日本のFMラジオ番組に出演したことがある。
インタヴュアーは、その番組のDJで、シャーリー富岡という女性。マイケル富岡の実のお姉さんで、昔「ハーフ」のモデルが流行っていた頃の、草分け的存在の人でもある。私ぐらいのジェネレイションの人たちなら何となくわかるかもしれないが、日本のキットカットの初代CMに出ていた女の子が、彼女だ。
録音の電話インタヴューだったが、やはりちょっと緊張した。人には、意外だと思われるかもしれないが、喋りはあまり得意な分野ではない。
仕事のミーティングやプレゼンテイションの時だって、人の前で話しをするのは、とっても苦手なのに、よく引き受けたなあ、と思う。
「私がフォローするから心配しないでね」とシャーリーも言ってくれたが、そのお陰もあって、終わってみると、癖になりそうなくらい、楽しかった。非常に面白い経験をさせてもらったと思っている。
私が子供の頃、毎週欠かさず見ていた『ファンキートマト』という番組の司会をしていたのがシャーリーだった。『ファンキートマト』とは、神奈川TVでやっていた、洋楽アーティストのミュージックヴィデオを紹介する、当時は画期的な番組だった。
彼女と「再会」したのが、3年前。インターネット上でだった。そして実際に会うことができたのは、その年の5月。ここニューヨークに彼女がやって来た時だ。
私にとって、子供の頃のアイコン的存在であった人と、20年の歳月を経て会うことができたのだから、なんとも感慨深かった。TVを見ていた時、将来、まさかニューヨークでそのパーソナリティとハグし合うことになるなんて、考えてもみなかったなあ。
アメリカ人の彼女は、日本語の読み書きがあまり得意でないと言いつつも、私が書いた本をしっかり2冊、読んでくれたし、裏表のない、とてもいい人だった。
シャーリーとの出会いは、「終わったと思ったお話しに続きがあった」、そんな感じだ。
そう思うと本当に不思議な気がする。人生って長いなあと思う。
これからも、まだまだ何が起こるかわからないのだ。楽しみでもあるが、反対に気も抜けない。




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