第18回「不公平な人生??」(05年1月8日掲載)

以前、うちのオフィスの隣には、タイソンという超売れっ子黒人モデルのお母さんが経営しているモデルエイジェンシーがあった。
ある日、そのタイソン本人が、オフィスに遊びに来ていた。
「ねぇねぇ。タイソンが来ているよ!」とオフィス内でも、ミーハーな女子だけが数名、興奮してひそひそと噂話しを始めた。
「え?じゃあ、私見てくる!」
とミーハーを代表する私は、トイレに行くふりをして、隣の部屋をチェック。と思ったら、いきなりよれよれのシャツを来ている黒人のニイちゃんが、ホールウェイで何やら写真を撮っているではないか。
一緒にトイレに行くと言った女子に「げっ?あの人が、タイソン?でも・・・?!」と私。私たちは思わず、ジーンズの垂れ具合も全然セクシーとは言えない、そのニイちゃんを見て、がっくりきてしまった。
ママの所に遊びに来て、気が抜けていたのかもしれないし、カメラを前にするとしっかり「プロ」の顔になるのかもしれない。しかし、私はそこで「Six Degrees of Separation」という映画を思い出してしまった。
その映画から発展したパロディで、「Six Degrees of Kevin Bacon」というゲームが巷じゃ流行っていたので、そちらの方を知っているという人も多いかもしれない。
その映画のテーマは、「全ての人間は、6人、またはそれ以内のサークルにおいて、何らかのコネクションを見つけることができる」ということである。私の記憶が正しければ、映画の中で、リッチな母親がその子どもにこう言うのである。
「世の中をうまく渡るのには、人生のその時々に正しい人を自分の回りに選んでいるかどうか、ということなのよ。人間は誰だって、大統領ともコネクションを見つけることができるはずなのよ。そこまでの道のりである、6人をどう選ぶかどうかってことね」
タイソンには大変申し訳ないが、私は彼にあった日にそんなことを考えてしまった。
別にタイソンがそうであると断定している訳ではないが、世の中、自分の才能に見合う以上のチャンスを与えられて生きているラッキーな人もたくさんいる。
人生、とっても不公平な気もするが、ラッキーな人脈をつかむのも、才能の内なのかな、とつくづく思った。

 



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