| 第16回「優しいニューヨーカー」(04年12月18日掲載) ニューヨークで3回、妊娠を経験して思ったことは、ニューヨークの人々は本当に妊婦に優しいということだ。 友人によっては「地下鉄で席を譲ってもらったことなんてないわよ。ちゃんと、妊婦だから譲ってくださいって言わなくちゃダメ!」などと言う人もいたが、私の場合、座りたいのに座れない、などと言うことは全くなかった。必ず、さっと席を譲ってくれる人がいた。 それが、高校生ぐらいの若い男の子だった時もあった。 日本の若い子は「妊婦=やった」と思う人が多いに違いないのに、アメリカの若い子どもは照れることもなく「妊婦」と接触するのにもためらわない。とても感心する。だから、その時も、私も心からお礼を言った。 公衆トイレの列に並ぼうとしたら「先に入っていいわよ」と優先させてくれたり、重たい回転ドアーの前では「後ろから押してあげますよ」とわざわざ声をかけてくれる人もいた。 今年の始めに、仕事でヨーロッパへ行く機会があったが、旅行前は「妊婦が一人で大きいスーツケースとか持っていたら、階段の上り降りの時とか、ちゃんと誰か助けてくれるかなあ?」などと少々心配ではあった。 「レディファストが定着しているヨーロッパだから、大丈夫ね」と、勝手に思い込んで旅立ったのだが、実際には、全く特別扱いされなかったのでかなり驚いた。 最初の目的地だったミラノに着いたら、空港でスーツケースが出てこなく、3日間、スーツケースなしの旅になってしまった。今から思うと、それは逆にラッキーで、その間の移動は、かなり楽だったのだが、階段も多かったし、もしスーツケースがあったら、とても大変だったと思う。 ロンドンへ移る時の空港での待ち時間では、空いている席はないかな?とお腹を突き出してあたりを見回しても、誰も席なんて譲ってくれないし、それどころか「あの人、妊婦なのに飛行機なんて乗るのかな?」的な冷たい視線を感じてしまったくらいだ。 10年以上、ニューヨークに滞在し、ニューヨーカーのラフなところだけが鼻についていたが、久々に彼らのいいところを再発見した次第である。 |
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